ドローンの飛行許可が下りない原因と対処法|不許可になる理由と再申請のポイントを解説

ドローンを飛行させるために国土交通省へ許可・承認申請を行ったものの、「申請内容に不備がある」「追加資料を提出してほしい」といった連絡が届くことがあります。

場合によっては、希望する飛行方法について許可・承認を受けられないこともあります。

特に、初めてドローンの飛行許可申請を行う方にとっては、なぜ申請が通らないのか、どのように対応すればよいのか分からず、不安に感じることもあるでしょう。

実は、ドローンの飛行許可・承認が下りない原因には、申請書類の不備だけでなく、機体の性能や操縦者の技能、安全対策など、さまざまな理由があります。

この記事では、ドローンの飛行許可・承認が下りない主な原因と、申請が認められなかった場合の対処法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次

1.ドローンの飛行許可が下りないことはある?

結論からいうと、ドローンの飛行許可・承認申請を行っても、必ず認められるわけではありません。

国土交通省では、航空法に基づく審査要領に従って、申請された飛行について安全性を確認しています。

主に確認されるのは、次のような項目です。

  • 飛行の目的や飛行場所、飛行方法
  • 使用するドローンの機能や性能
  • 操縦者の飛行経験や知識、能力
  • 飛行中の安全確保体制

これらの項目について、必要な基準を満たしていない場合や、安全性を十分に確認できない場合には、申請内容の修正や追加資料の提出を求められることがあります。

なお、申請後に修正を求められる「補正」と、最終的に許可・承認が認められない「不許可」は異なります。

補正の連絡が届いたからといって、直ちに不許可になったわけではありません。指摘された内容を確認し、適切に修正することが大切です。

2.ドローンの飛行許可が下りない主な原因7つ

ここでは、申請がスムーズに進まない主な原因を7つ紹介します。

① 申請内容や必要書類に不備がある

最も基本的な原因の一つが、申請内容や必要書類の不備です。

例えば、次のようなケースが考えられます。

  • 飛行させる場所や日時の記載が不十分
  • 使用する機体の情報が正しく登録されていない
  • 操縦者の情報に誤りがある
  • 必要な添付資料が不足している
  • 申請内容と飛行マニュアルの内容が一致していない

特に、DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)で申請する場合、入力項目が多いため、入力漏れや選択ミスが発生することがあります。

対処法

申請前に、飛行目的・飛行場所・飛行日時・使用機体・操縦者情報などを一つずつ確認しましょう。

また、申請内容と添付資料の内容が一致しているかも重要です。

② 使用するドローンが審査基準を満たしていない

申請する機体が、予定している飛行方法に必要な機能や性能を備えていない場合も、許可・承認を受けることが難しくなります。

例えば、次のようなケースです。

  • 飛行に必要な安全機能が確認できない
  • 使用する機体の性能や仕様が不明確
  • 飛行方法に対して機体の機能が十分でない
  • 機体情報の登録内容と実際の機体が一致していない

ただし、機体認証を取得していないドローンだからといって、一律に飛行許可・承認を受けられないわけではありません。

機体認証の有無や飛行カテゴリー、申請する飛行方法などによって必要な手続きや審査基準は異なります。

対処法

使用するドローンの機種や仕様を確認し、予定している飛行方法に必要な基準を満たしているか確認しましょう。

必要に応じて、機体の変更や安全対策の追加を検討することも重要です。

③ 操縦者の飛行経験や技能が不足している

ドローンの飛行許可・承認では、操縦者の知識や能力も確認されます。

例えば、次のようなケースです。

  • 必要な飛行経験を満たしていない
  • 操縦者の飛行経歴が十分に確認できない
  • 予定している飛行方法に必要な技能が不足している
  • 操縦者の知識や能力を証明する資料が不足している

特に、夜間飛行や目視外飛行など、通常とは異なる飛行方法を予定している場合には、その飛行方法に応じた技能や安全対策が求められます。

なお、2025年12月の審査要領改正により、従来、一部の資料省略に利用されていたホームページ掲載講習団体等による技能認証の取り扱いが変更されています。

無人航空機操縦者技能証明を保有している場合と、保有していない場合では、申請時に確認すべき事項が異なるため注意が必要です。

対処法

操縦者の飛行経歴や知識、能力を整理し、予定する飛行方法に必要な基準を満たしているか確認しましょう。

技能証明を保有していない場合でも、審査基準への適合性を示すことができれば申請できる場合があります。

④ 安全対策が不十分である

ドローンの飛行許可・承認では、飛行中に事故やトラブルが発生しないよう、適切な安全対策を講じているかも重要な審査項目です。

例えば、次のようなケースです。

  • 飛行経路周辺の安全確認が不十分
  • 第三者が飛行範囲に立ち入らないための対策が不明確
  • 補助者の配置や役割が明確になっていない
  • 緊急時の対応方法が定められていない
  • 飛行前点検や機体の整備体制が不十分

例えば、建設現場でドローンを使用する場合、作業員や現場関係者がいる中で飛行することがあります。

このような環境では、飛行範囲への立入管理や、第三者との接触を防止するための具体的な対策が重要になります。

対処法

飛行場所や飛行方法に応じた安全対策を具体的に検討しましょう。

飛行マニュアルの内容を確認し、補助者の配置、立入管理、緊急時の対応などを明確にしておくことが大切です。

⑤ 飛行方法に対する追加基準を満たしていない

ドローンには、飛行方法によって追加の安全基準が設けられています。

例えば、次のような飛行です。

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人または物件との距離を確保できない飛行
  • 催し場所上空での飛行
  • 危険物の輸送
  • 物件の投下

これらの飛行を行う場合には、それぞれの飛行方法に応じた追加基準への適合が必要です。

例えば、夜間飛行では、機体の灯火や飛行経路の確認など、夜間特有の安全対策が求められます。

また、目視外飛行では、機体の状態や周囲の状況を適切に把握するための体制が重要になります。

対処法

申請する飛行方法を改めて確認し、該当する追加基準を満たしているか確認しましょう。

複数の飛行方法を組み合わせる場合には、それぞれの基準を確認する必要があります。

⑥ 申請先を間違えている

意外と見落とされやすいのが、申請先の間違いです。

ドローンの飛行許可・承認申請は、飛行させる空域によって申請先が異なります。

例えば、次のように分かれています。

  • 空港等の周辺、緊急用務空域、地上または水上から150m以上の高さの空域:東京空港事務所長または関西空港事務所長
  • 上記以外の対象となる飛行:東京航空局長または大阪航空局長

申請先を間違えると、補正指示や申請のやり直しなどが必要になる場合があります。

対処法

申請する前に、飛行場所や飛行する空域を確認し、適切な申請先を選択しましょう。

特に、空港周辺や高度150m以上の空域などで飛行する場合には注意が必要です。

⑦ 飛行場所や周辺環境に問題がある

申請内容自体に問題がなくても、飛行場所や周辺環境によっては、予定している飛行方法を実施できない場合があります。

例えば、次のようなケースです。

  • 飛行経路の近くに第三者が多数存在する
  • 周辺に建物や障害物が多い
  • 飛行場所の安全を確保できない
  • 飛行場所に関する必要な調整ができていない

また、航空法上の許可・承認を取得すれば、どこでも自由に飛行できるわけではありません。

小型無人機等飛行禁止法や自治体の条例、施設管理者のルールなど、別途確認が必要な規制もあります。

対処法

飛行場所の状況を事前に調査し、必要に応じて土地や施設の管理者などと調整しましょう。

安全を確保できない場合には、飛行場所や飛行方法の変更も検討する必要があります。

3.飛行許可が下りなかった場合の対処法

実際に申請内容の補正や不許可の連絡を受けた場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

基本的には、次の手順で対応することが大切です。

STEP1:指摘された内容を確認する

まずは、国土交通省から届いた補正指示や連絡内容を確認しましょう。

どの項目に問題があるのか、どの資料が不足しているのかを把握することが重要です。

内容を十分に理解しないまま修正すると、再び同じ指摘を受ける可能性があります。

STEP2:申請内容や資料を修正する

問題点が分かったら、該当する箇所を修正します。

例えば、飛行経路の安全対策が不十分と指摘された場合には、補助者の配置や立入管理方法などを具体的に見直します。

書類の記載ミスであれば、正しい情報に修正し、必要な資料を追加しましょう。

STEP3:安全対策を見直す

申請内容を修正するだけでなく、飛行そのものの安全性を見直すことも大切です。

場合によっては、次のような対応が必要になります。

  • 飛行場所を変更する
  • 飛行経路を変更する
  • 飛行高度や飛行方法を見直す
  • 補助者を追加する
  • 立入管理措置を強化する
  • 機体や操縦者を変更する

申請を通すことだけを目的にするのではなく、実際の飛行で安全を確保できる内容にすることが重要です。

STEP4:必要に応じて再申請する

補正で対応できる場合は、指示された方法に従って修正内容を提出します。

一方、申請内容を大きく変更する場合や、申請自体が不許可となった場合には、改めて申請が必要になることもあります。

再申請する際には、前回の指摘事項を踏まえて内容を見直しましょう。

なお、補正や再申請に必要な手続きは、個別の審査状況によって異なります。担当窓口の指示を確認することが大切です。

4.ドローンの飛行許可申請で失敗しないためのポイント

最初からスムーズに許可・承認を受けるためには、申請前の準備が重要です。

特に、次の4つを意識しましょう。

① 申請前に飛行内容を整理する

まずは、何のために、どこで、どのような方法でドローンを飛行させるのかを整理しましょう。

飛行目的や飛行場所が曖昧なまま申請すると、必要な許可・承認や安全対策を正しく判断できないことがあります。

② 最新の審査基準を確認する

ドローンに関する制度や審査要領は改正されることがあります。

以前は問題なく申請できた内容であっても、制度変更によって必要な資料や確認事項が変わる可能性があります。

申請前には、国土交通省の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

③ 飛行予定日から余裕を持って申請する

国土交通省では、原則として飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までの申請を案内しています。

ただし、これは申請の目安であり、必ず10開庁日で許可が下りるという意味ではありません。

申請内容に不備があった場合や、追加確認が必要になった場合には、さらに時間がかかることがあります。

そのため、飛行予定日から3~4週間程度の余裕を持って準備することが望ましいでしょう。

④ 判断に迷ったら専門家に相談する

ドローンの飛行許可申請では、飛行方法や機体、操縦者、安全対策など、確認すべき事項が多くあります。

特に、次のような場合には専門家への相談も検討しましょう。

  • 初めて飛行許可・承認申請を行う
  • 夜間飛行や目視外飛行を予定している
  • 建設現場や施設でドローンを使用する
  • 申請の補正指示を受けた
  • 何度申請しても手続きが進まない

事前に申請内容を確認することで、書類の不備や安全対策の見落としを防ぎやすくなります。

5.まとめ

ドローンの飛行許可・承認が下りない原因には、申請書類の不備だけでなく、機体の性能、操縦者の技能、安全対策、飛行方法など、さまざまなものがあります。

特に重要なのは、申請する飛行内容に応じた審査基準を理解し、必要な安全対策を具体的に示すことです。

申請後に補正の連絡が届いた場合でも、必ずしも不許可になったわけではありません。指摘された内容を確認し、適切に修正することで許可・承認につながる可能性があります。

ドローンを安全に活用するためにも、申請前の準備を十分に行い、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めましょう。

6.ドローンの飛行許可申請でお困りの方へ

「自分の飛行方法で許可が必要なのか分からない」
「申請したものの補正指示が届いてしまった」
「建設現場や施設でドローンを使用したいが、必要な手続きが分からない」

このようなお悩みはありませんか?

ドローンの飛行許可・承認申請は、飛行場所や飛行方法によって必要な手続きや安全対策が異なります。

当事務所では、ドローンの飛行許可・承認申請に関するご相談を承っております。

初めて申請される方はもちろん、申請内容の確認や補正対応についてお困りの方も、お気軽にご相談ください。

ドローンの飛行許可申請でお困りの方は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。


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