建設現場でドローンを使用する際の許可・承認とは?必要な手続きと注意点を解説

近年、建設現場ではドローンを活用する機会が増えています。

例えば、次のような用途があります。

  • 工事の進捗状況を上空から撮影する
  • 建物の屋根や外壁を点検する
  • 工事着工前と完成後の状況を記録する
  • 土木工事現場の測量や地形確認を行う
  • 高所や人が立ち入りにくい場所を撮影する

ドローンを活用することで、作業時間の短縮や安全性の向上、現場管理の効率化などが期待できます。

しかし、建設現場でドローンを飛行させる場合には、航空法などのルールを確認しなければなりません。

特に、人口集中地区での飛行や夜間飛行、作業員や建物との距離が30m未満になる飛行などでは、原則として国土交通省の許可・承認が必要になります。

この記事では、建設現場でドローンを使用する際に確認すべき許可・承認の種類や申請方法、注意点について解説します。

目次

1.建設現場でドローンを使用する場合、許可・承認は必要?

結論からいうと、建設現場でドローンを使用する場合、必ずしも飛行許可・承認が必要になるわけではありません。

航空法では、ドローンの飛行場所や飛行方法によって、国土交通大臣の許可・承認が必要となる場合が定められています。

このような飛行は「特定飛行」と呼ばれています。

建設現場であっても、特定飛行に該当しない条件で飛行させる場合には、航空法上の飛行許可・承認は原則として不要です。

ただし、航空法以外にも、施設管理者の許可や土地所有者の承諾、自治体の条例などを確認する必要があります。

2.建設現場で許可・承認が必要になる主なケース

建設現場でドローンを使用する場合、特に注意したいのが次の5つの飛行形態です。

① 人口集中地区(DID)で飛行させる場合

人口集中地区とは、一定の人口密度などの基準に基づいて設定された地域です。

都市部の建設現場では、人口集中地区に該当するケースが少なくありません。

例えば、東京都内の住宅街や市街地にある建設現場でドローンを飛行させる場合、人口集中地区に該当する可能性があります。

この空域で100g以上のドローンを飛行させる場合は、原則として国土交通大臣の許可が必要です。

なお、人口集中地区に該当するかどうかは、国土地理院の地理院地図などで事前に確認できます。

② 夜間に飛行させる場合

建設現場では、日中の作業が終了した後に撮影や点検を行いたいケースも考えられます。

しかし、日没から日の出までの間にドローンを飛行させる場合は、夜間飛行に該当します。

例えば、次のようなケースです。

  • 夜間に工事現場の全体を撮影する
  • 夜間工事の進捗状況を記録する
  • 夜間に建物や設備の点検を行う

夜間飛行を行う場合は、原則として国土交通省の承認が必要です。

また、夜間は周囲の障害物やドローンの位置を把握しにくくなるため、機体の灯火や周囲の安全確認など、十分な安全対策が求められます。

③ 目視外飛行を行う場合

目視外飛行とは、操縦者がドローンを直接目で確認できない状態で飛行させることです。

建設現場では、建物の裏側や屋根の反対側など、操縦者から機体が見えにくい場所を撮影することがあります。

また、モニターの映像を確認しながら、離れた場所からドローンを操作する場合も考えられます。

このような飛行方法は、目視外飛行に該当する可能性があります。

目視外飛行を行う場合は、原則として国土交通省の承認が必要です。

ただし、飛行方法や機体認証・技能証明の有無などによって手続きが異なる場合があります。

④ 人や物件から30m未満の距離で飛行させる場合

建設現場で特に注意したいのが、人や物件との距離です。

航空法では、ドローンと人または物件との間に30m以上の距離を確保することが原則とされています。

ここでいう物件には、建物、車両、工作物などが含まれます。

例えば、次のような飛行が考えられます。

  • 建設中の建物の外壁を近距離で撮影する
  • 足場の周辺を飛行して点検する
  • 重機や建設資材の近くを飛行する
  • 作業員の近くで施工状況を撮影する

このように、建設現場では30m未満の距離で飛行する必要が生じることがあります。

その場合は、原則として国土交通省の承認が必要です。

なお、30mの距離を確保できない場合でも、適切な安全対策を講じたうえで承認を受けることにより、飛行できる場合があります。

⑤ 催し場所の上空を飛行させる場合

建設現場であっても、多数の人が集まるイベントなどが開催されている場合には注意が必要です。

航空法では、祭礼、縁日、展示会など、多数の人が集まる催し場所の上空を飛行させる場合、原則として承認が必要になります。

例えば、建設現場の完成見学会や一般公開イベントなどで、多数の来場者が集まる場合が考えられます。

ただし、通常の建設作業や現場内の作業員がいるというだけで、直ちに「催し場所上空」に該当するわけではありません。

実際の状況に応じて判断する必要があります。

3.建設現場では作業員の扱いにも注意が必要

建設現場でドローンを飛行させる場合、作業員の存在にも注意しなければなりません。

例えば、現場の進捗状況を撮影するためにドローンを飛ばす場合、現場内で作業員が活動していることがあります。

このとき、現場内にいる作業員が航空法上の「第三者」に該当するかどうかが重要になります。

飛行に関する安全管理や立入管理が適切に行われており、飛行の内容について十分な理解と管理がなされている関係者であれば、第三者に該当しない場合があります。

一方で、現場にいるという理由だけで、すべての作業員を第三者ではないと判断することはできません。

例えば、次のような点を確認する必要があります。

  • ドローンを飛行させることを作業員に周知しているか
  • 飛行範囲や飛行時間を明確にしているか
  • 飛行範囲への立入りを適切に管理しているか
  • ドローンの飛行について理解・承諾を得ているか
  • 飛行中に関係者以外が立ち入らない体制になっているか

建設現場では、元請会社や現場監督と事前に打ち合わせを行い、安全管理体制を整えることが重要です。

4.建設現場でドローンを使用する際に必要な主な手続き

建設現場でドローンを使用する場合、飛行許可・承認以外にも確認すべき手続きがあります。

① ドローンの機体登録

100g以上のドローンを屋外で飛行させる場合、原則として機体登録が必要です。

登録が完了すると登録記号が発行されるため、機体に表示する必要があります。

また、原則としてリモートID機能の搭載も必要です。ただし、制度上の免除要件に該当する場合は例外があります。

② 飛行許可・承認の申請

人口集中地区や夜間飛行、目視外飛行、30m未満の飛行など、特定飛行を行う場合は、必要に応じて許可・承認を取得します。

申請は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」から行うことができます。

申請にあたっては、主に次のような情報が必要です。

  • 使用するドローンの情報
  • 操縦者の情報
  • 飛行の目的
  • 飛行する日時や期間
  • 飛行する場所や経路
  • 飛行方法
  • 安全管理に関する情報

③ 飛行計画の通報

特定飛行を行う場合は、原則として飛行前に飛行計画を通報する必要があります。

DIPS2.0を利用して飛行計画を通報し、他のドローンの飛行計画や飛行禁止空域なども確認します。

④ 現場管理者・土地所有者への確認

国土交通省から飛行許可・承認を取得したとしても、建設現場で自由に飛行できるわけではありません。

建設現場の管理者や元請会社、土地所有者などに対して、事前に飛行の目的や日時、飛行範囲を説明し、必要な承諾を得ることが重要です。

また、道路や河川、公園などが関係する場合には、それぞれの管理者への確認や別途の手続きが必要になることがあります。

5.建設現場でドローンを安全に飛行させるための注意点

建設現場は、一般的な空き地などとは異なり、重機や資材、作業員などが存在する環境です。

そのため、許可・承認を取得するだけでなく、現場の状況に合わせた安全対策が必要です。

特に注意したいポイントは次のとおりです。

作業員への事前周知

ドローンを飛行させる日時や範囲を事前に作業員へ周知しておきましょう。

突然ドローンが飛行すると、作業員が驚いたり、作業に支障が出たりする可能性があります。

飛行範囲への立入管理

飛行中に関係者以外が飛行範囲に入らないよう、コーンや看板などを設置して管理することが重要です。

必要に応じて補助者を配置し、周囲の状況を確認できる体制を整えましょう。

重機やクレーンとの接触防止

建設現場では、クレーンや高所作業車、重機などが稼働しています。

ドローンがこれらの機材に接触すると、重大な事故につながるおそれがあります。

飛行前に現場の状況を確認し、作業機械の稼働範囲や移動経路を把握しておく必要があります。

天候や風の確認

建設現場は建物や足場などの影響により、風の流れが不規則になることがあります。

特に建物の近くでは、突風や風の巻き込みが発生する可能性があります。

飛行前には天候や風速を確認し、安全に飛行できる条件であるか判断しましょう。

6.飛行許可・承認の申請はいつまでに行うべき?

ドローンの飛行許可・承認申請は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前(土日祝日を除く)までに提出することが国土交通省から案内されています。

ただし、申請内容に不備がある場合や追加資料が必要になる場合には、審査にさらに時間がかかる可能性があります。

そのため、建設現場でドローンを使用する予定がある場合は、飛行予定日の3~4週間程度前を目安に準備を始めると安心です。

特に、次のようなケースでは早めの準備をおすすめします。

  • 大規模な建設現場での撮影
  • 複数の飛行形態を組み合わせる場合
  • 夜間や目視外での飛行を予定している場合
  • 現場関係者との調整が必要な場合
  • 飛行経路や安全管理体制の検討が必要な場合

なお、許可・承認を取得した後も、飛行条件や有効期間、飛行場所などを確認し、許可された内容に従って飛行させる必要があります。

7.建設現場でのドローン飛行許可申請は行政書士に相談できる?

建設現場でドローンを使用する場合、飛行する場所や方法によって必要な手続きが異なります。

例えば、人口集中地区での飛行に加えて、夜間飛行や目視外飛行、30m未満の飛行を組み合わせる場合には、それぞれの飛行形態に応じた確認が必要です。

また、現場の作業員や重機との関係、安全管理体制なども考慮しなければなりません。

行政書士に相談することで、飛行内容に応じた必要な手続きの確認や、飛行許可・承認申請に関する書類作成などのサポートを受けることができます。

「建設現場でドローンを使いたいが、どのような許可が必要かわからない」
「工事の進捗確認や屋根・外壁の点検でドローンを活用したい」
「継続的にドローンを使用するため、包括申請を検討している」

このようなお悩みがある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ

建設現場でドローンを使用する場合、飛行場所や飛行方法によっては航空法に基づく許可・承認が必要になります。

特に注意したいのは、次の5つです。

  • 人口集中地区(DID)での飛行
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人や物件から30m未満での飛行
  • 催し場所上空での飛行

また、飛行許可・承認を取得するだけでなく、機体登録や飛行計画の通報、現場管理者への確認、安全管理体制の整備なども重要です。

建設現場でのドローン活用を検討している場合は、飛行予定場所や使用目的、飛行方法を事前に整理し、必要な手続きを確認しておきましょう。

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当事務所では、ドローン飛行許可・承認申請に関するご相談を承っております。

建設現場での進捗撮影や屋根・外壁の点検、測量など、ドローンの使用目的に応じて必要な手続きを確認し、申請をサポートいたします。

「自社の建設現場でドローンを飛ばすには許可が必要なのか」といったご相談も歓迎しております。

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